講師:小川よし子さん 保谷障害者福祉センター係長 看護師
「高次脳機能障害を知っている人?」 から講義は始まった。 自慢じゃないが当然知らない。 確か、後見人養成基礎講座でも聞かなかった、様な気がする。 知らなくて当然(?)。 最近出てきた病名だそうだ。 お医者でも知らない人や誤解している人が多いとのこと。
高次脳機能障害とは、高次の脳機能の障害です。 お分かりかな? お分かりでない・・・
正確(行政的)には、「事故や病気などが原因で脳が損傷され、話す・考える・覚える・集中することが難しくなり、生活に支障をきたす状態をいいます」 今度はどうだ! やはり分からない。 そうでしょうね・・・
具体的に考えてみよう。脳が損傷されて、身体障害が後遺障害として残る場合は、身体障害者手帳が交付され、生活支援が得られる。しかし、身体障害が軽度もしくはほとんど見られないが、脳の機能に障害が生じている場合は問題。 外見上は症状が目立たないので、本人も周囲も気付かない。が、やはりなんかおかしい、となる。 「隠れた障害」とも言われるそうだ。
実際に、日常生活、社会生活への適応に困難を有する人々がいる。にも関わらず、これらについては診断、リハビリテーション、生活支援等の手法が確立していない。早急な検討が必要だ。ということで、「高次脳機能障害」という病名が登場したわけだ。
この高次脳機能障害者は、精神障害者保健福祉手帳が交付される(対象になる)そうだ。
脳の何処に損傷を受けたかによって、実に様々な症状が見られる。(複数の症状がおこることが多い)
「行動と感情の障害」「遂行機能障害」「失認証」「半空間無視」「半側身体失認」「地誌的障害」「失行症」「失語症」「記憶障害」「注意障害」など。信じられないような症状が多く、脳機能の不思議さに驚かされる。
この内、失語症は、症状が直に分かるので、身体障害者手帳が交付されるそうだ。 医学的な定義と行政上の定義が異なっているということ。
いずれにしても、何か異常を感じたら、西東京市の障害福祉課に相談すべき。
(尚、第15回講義は、本来は認知症サポーター養成講習会の予定であったが、既に受講済みの人が多かったので中止)
(6月3日掲載)