登録生活支援員研修(第17回:施設実習 福祉作業所)

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講師:長谷川係長  ほうや第一・第二・第三福祉作業所 施設長   (6月25日実施)

 導入教育最後の講座。2回目の施設実習。 今回は、知的障害者(前回は精神障害者)向け施設。
両施設とも、障害者への働く場所の提供が目的。 だが、雰囲気は大分異なる。
 精神障害者向け作業所は静かで、外見的には健常者と同じような人が多かったが、今回は賑やか。
 生まれながらの知的障害者なので、子供のように純真な精神の持ち主が多く、外面的にも・行動的にも特徴がある人が多い。 まるで保育園に迷い込んだような雰囲気。職員の方も、まるで保育士のように、利用者に接していた。

 利用者(愛の手帳保持者で15歳(実際は18歳)以上が対象)は53名。職員は13名。約4名に1人の割合。利用者は千差万別であり、非常に手間が掛かるが、現場はよく統制されていたようだ。
 第一・第二・第三と作業所が分かれているのは、小規模作業所の定員が19名だから。補助金は19名分しか出ない。従って、利用者が19名を超えそうになると、新しい作業所を追加することになる。 一事業所の運営費は約2000万円程度(障害の程度などに応じ補助金の額は変わるが)。
 三つに分かれているが、運営は一体。やっていることも殆ど同じ。しかし、障害のレベルや利用者の相性を考えて、3ヶ所に分かれて作業をしている。(障害レベルより、相性の問題が大きいようだ)

 作業所の目的は、働く場所の提供だが、一般就労の支援が目的ではない。 知的障害所の昼間の居場所提供が実際の目的。入所した人は、そのままこの作業所に一生居続けることになる。 通常の学校とは大違い。 まるで、第二の家族だ。 通常は、第一の家族である親の家から、作業所に通うことになるが、親の高齢化等に伴い、現在9名がグループホームに入居しているそうだ。
 作業所は、第二の家族として、あらゆる困りごとを聞き、利用者とその家族の為に適切な助言と支援を行う唯一の場所。 ということで、職員の仕事の幅は広く奥も深い。
 保育士のような仕事の一つとして、職員と利用者の間で交換日誌があるのには驚いた。 利用者も職員のコメントを楽しみにしている様子。

 現在、第三者の成年後見人がいる人はいないそうだ。大体親が後見人だが、高齢化が進んでいるので、第三者の成年後見人に対するニーズは多いそうだ。 しかし、知的障害者に代わって、判断するのは非常に難しいと感じた。  障害者同士は、明るく笑いコミュニケーションしているが、私には意味不明なものが多かった。職員とはコミュニケーションができているので、慣れの問題かもしれないが・・。傾聴ボランティアの講座を受ける理由が一つ増えた感じ。
 家族会は、通常の情報交換の他に、政治活動にも力を入れているようだ。自分の子供に知的障害者だったら(統計学的に誰にも起こる可能性がある)、国に支援を要求するのは当然。 圧力団体として強力に行政に対して働きかけるのは理解できる。

 ところで、実習した作業は、手提げ袋(高級そうな)の紐の取り付け。 折りたたまれた袋を開き、底板を入れ、手提げ部分の補強板を入れ、紐を通す穴を開け、紐を通して、両端を固結びする、という一連の工程。 かなり面倒で正確な作業が要求される。 それでも、最後は職員が全品を目視検査する必要がある、となかなか厄介。  最後に部屋の掃除を行い、玄関から送り出すまでを体験した。
 今度、高級手提げ袋を貰ったら、仕上げの部分を確認してみよう。 どこかの身障者の苦労の結果なのだから。

 
 

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