登録生活支援員研修(第9回:西東京市の健康年金)

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講師:貫井さん 西東京市市民部 保険年金課 国保給付係 係長
川上さん 西東京市市民部 保険年金課 国民年金係 係長

保険年金課の括りに戸惑ったが、健康保険も年金保険も社会保険の一部だからだろう。
社会保険は、強制加入なので仕組みを理解しないままの人が多い。仕組み自体もよく変更され、複雑怪奇になっているので、専門家すら良く間違える。 消えた年金問題も未だに完全解決に到っていない。他の制度や民間保険との違いも何となく分かっていない。大体、民間保険も誤解だらけだ。 全体像の説明がないまま、市役所が保険者として運営する制度の説明を聞くのも少々しんどい感じがする。

まずは、国民健康保険(略称は国保)の説明。(国保といわれても、ピント来ない人もいると思うが、どうなんでしょう)

国保は、西東京市が運営し、対象者は自営業や無職の人。健康保険組合、協会けんぽ、共済組合、国民健康保険組合に入っていない人と言った方が正確か。仕組みそのものは簡単だが、年齢により、被保険者の所帯の前年度の所得により、費用負担の計算が複雑なので、普通の人は混乱する。 特に複雑なのが高額療養費。余りにも間違いが多いので、西東京市が医療機関からの請求を基に計算を行い、高額医療費が発生しそうな所帯に該当通知書を申請書を同封して送付するそうだ。この申請書に領収書を添付すると、ようやく高額療養費が戻ってくることになる。医療機関に入院した場合も複雑で、限度額適用認定書や標準負担額減額認定証など、似たような名前の書類が登場する。
保険料の納付を特別な理由もなく怠ると、最悪の場合、保険証を返納する場合もありうる。代わりに資格証が交付されるが、給付に制限があり、社会問題化している。西東京市では、実際に資格証を交付するような例はないそうだ。少しほっとした。滞納しそうになったら、自分でクヨクヨと悩まないで、国保給付係の田無と保谷庁舎の窓口で相談すべきである。本当に払う余裕がないときは、生活保護の申請までも指導してくれるはずである。
ところで、保険事業の財政事情は苦しいらしい。西東京市でも滞納が50万円以上の人に対しては、納税課が徴収を担当しているそうだ。税金滞納と同じ扱い。税金も社会保険料も(支払えるなら)支払うのが国民の義務です。 節税までですね、せいぜい許されるのは。

次に、国民年金の説明。
国民年金については、例の消えた年金問題以降、新聞雑誌等で詳しい説明がある。ということで、国民年金そのものの説明は超簡単で、代わりに障害年金に関する説明が大半。確かに、この障害年金に関しては専門家も誤解しがちな領域で、生半可な知識だと間違えそう。
まずは、西東京市の状況。現在の人口は約19.5万人。第1号被保険者は3.39万人、3号が1.64万人、任意加入者が700名弱。この内、1号と任意を市役所で取り扱っている。
早速、障害年金。 障害基礎年金はどんなときに受けられるかが大切。条件は3つ。
①国民年金の被保険者期間中(ちょっと正確ではないが)に、障害の原因となった病気や怪我の初診日があること。
②上記①に病気やけがによる障害の程度が、障害認定日において、障害等級表の1級または2級のいずれかの状態になっていること。
③保険料の納付要件を満たしていること。
②の要件は比較的分かりやすい。
③の納付要件も比較的簡単。
1)初診日の属する月の前々月までの被保険者期間のうち、国民年金の保険料納付済期間と保険料免除期間を合わせた期間が3分の2以上であること。(できるだけ救済しようという条件ですが、更なる救済処置が次です)
2)初診日の属する月の前々月までの直近の1年間に、保険料の未納期間がなければよい
③のポイントは初診日の時期。 これが①の要件に関係してくる。
実はこの初診日の証明が難しい。診療機関側も証拠となる書類を保存していない可能性がある。障害認定日に障害1級と認定されても、その障害の原因となった傷病の初診日の属する月の前々月までの保険料の支払い状況が③の納付要件に合致しなければ、生涯年金は受け取れない。実際に、納付要件を満たしていても、障害者を抱えて、初診日を証明する診療機関や医師を捜し出し、診断証を書いて貰うのは、非常に大変な場合もあるようだ。(納付要件を僅かな時期の差で満たさない人は更に悲惨だが)
相談担当窓口は、必用なことは教えてくれるが、一緒になって汗をかいてはくれない(でしょう)。
現実は厳しいですね。

(5月12日掲載)

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