今回は西東京市精神障害者共同作業場 サンライズ富士での実習。 (座学は15回で終了。 これから2回の施設実習)。
講師: サンライズ富士 石井係長
サンライズ富士は、無認可の小規模作業場。
なに!無認可? 社協が経営しているのに無認可?? おかしいのでは? 早速、質問。 無認可とは?
認可を取るには、社会福祉法人が前提。 社会福祉法人になるのは難しい、との説明。
(後で調べたら、社会福祉法人になるには、「1億円以上の保有資産」を満たさなければならない。また、施設の「土地、建物を自己保有」という条件も加わって、民間団体が社会福祉法人の認可を受けるのは極めて困難な状況にある、との事。しかし、それを緩和する色々な施策もあるようだ。 大体、小規模作業所は、共同作業所とも無認可作業所とも呼ばれている。 小規模作業所と言うからには、大規模施設があることになるが、こちらは、市等が運営しており、少しは余裕があるようだ。が、とても精神障害者の社会復帰への受け皿としては不足しており、運営も杓子定規。そこで、やむにやまれず、小規模で地域密着の無認可作業所が急激に増加した、ということらしい。)
補助金は、東京都から貰っている。 しかし、障害者自立支援法により、H22年度から補助金が打ち切られるので、就労継続支援事業B型への移行を予定している。 この言葉を聞いたのは2度目。 第12回講座で、NPO法人「たなし工房」が、就労継続支援事業B型であった。
就労継続支援事業(非雇用型)と言うと少しは分かりやすい、と思うが・・・? この辺りの解説も、Web上に氾濫している。 障害者自立支援法(将来廃止されることが決まっているが)の、福祉予算削減に影響されている部分のようだ。 いずれにしても、現状の小規模作業所は、何らかの変容を強いられている。
サンライズ富士は、平成2年に正式開所、平成7年に作業所運営が社協に移管。元保育園で、家賃はゼロのようだ。 登録者28名。実質15名程度。精神障害者は、表面的には健常者と変わらない。 短時間の労働なら問題なし。 とは言え、工賃は、月3000円程度。熱心に働く人で、多くて15000円。 作業所というより、居場所に近い。デイサービスと変わらない、とのこと。
職員は、何でも屋。営業のような仕事もあるようだ。 市会議員の視察は少ないとのこと。 高齢者に比べて、精神障害者は数が少なく票にならない?からか。 市役所にも、封筒への文書入れなど、軽作業を回してくれるようお願いしているが、全く反応ないそうだ。 どうも、理解者が少ないようだ。 (例外は、石毛都会議員。自分の事務所の軽作業を依頼してくれたそうだ。偉い!)
作業所では、ケースワークなどケアマネージャ的な仕事も多い、そうだ。 社協の中で、現場業務を担当すると、忙しくて社協の企画的な機能が見え難くなると、少々困っていた。 確かに、社協の中では少し異質な感じ。
どうやら社協自身も、独自事業として運営を続けていくつもりはないようだ。 平成12年の介護法施行以来、福祉サービス提供業者が増えたので、サンライズ富士も光景事業者が見つかれば、社協としては、本来?の地域福祉のコーディネーターに専念したい、とのこと。
地域福祉の充実が求められているが、市役所には専門職がいない。(市役所は、ジェネラリストを育成) 福祉の専門職は社協が担当しているので、機能的には当然か。
実習は、作業者に混じって、実際の作業の体験。40年前に、会社に新入社員として入った時に経験した工場実習と余り変わらない。
本当に軽作業なので、直に憶えることができた。 こちらが少しまごまごしていると、親切に教えてくれる。
普通のおじさん、おばさんという感じ。 だが、生活支援員が対象としている人もいるそうだ。
一つの作業所の短時間の経験であったが、貴重な体験であった。
(作業所での体験以上に、作業所を取り巻く環境の変化を、勉強し、幅の広がりと奥の深さを知ることができたのが収穫であった)