本日は、後見人と生活保護の両制度に関係する事例を体験。個人情報に関係するので一般論として記述する。
高齢の親を高齢の子(独身)が介護する老々介護のケース。親の年金のみで、親子がどうにか生活していた。 ところが、この子が脳梗塞で倒れ、身体障害と要支援の状態になり、日常生活にも困難をきたす状態に。 当然老親の介護はできない。 そこで、関係者が集まって、高齢の親を介護施設に入所させることにし、後見人も選任した。 後見人は、老親の入所費用など生活を維持するために、老親の年金のすべてを充てると判断。 子の生活をどうする? 色々と検討した結果、親子の所帯(サイフ)を分離し、子どもの生活保護を申請することにした。
子どもは、就労は不可能。収入は僅かな福祉手当のみ。無年金。無生命保険。現預金は数万円のみ。兄弟姉妹もいない。 ということで、生活保護を受ける資格は十分ありそう。
国が定めた基準の最低生活費を計算。生活扶助が79530円。介護扶助が26850円。合計106380円。住宅扶助の最大は53700円。医療扶助(医院は制限されるが)は、全額現物支給(通常は3割負担)。通院費用も支給される。これらには、税金は掛からない。
介護保険サービスの利用も無償(通常は1割負担)。介護保険料は現物支給。その他、国民年金の保険料免除。上下水道料金の基本料金免除。NHK放送受信料免除。JR通勤定期乗車券の割引。都営交通の無料パスの交付などがある。
ここで、違和感が残るのは、この生活保護を受けると、今までの生活水準より高いことになること。(まだ絶対額が少ないとの意見もあるが、今回は、エッそんなに貰えるの?が第一印象)
この高齢な子どもの場合は、身体的な障害があり、外出もままならない。食事も小食。節約をしなくても(たぶん節約するでしょうが)、月にかなりの額の貯蓄ができそう。
判例では、保護受給中の預貯金は100万円程度まで認められる。それ以上は?だが、 もし100万円以上の現金の保有が分かると、それがゼロ(実際は最低生活費の5割までは手持ち金の保有を容認)になるまで生活保護が打ち切られることになる(のかもしれない。論理的にはそうなるでしょう)。
憲法25条には「すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と定められている。 現在、生活保護を受給しているひとは全国で180万人(130万所帯)以上いるが、保護率は約13%。 保護されていない人々・所帯の現状が気になる。