非常に重要なテーマなので、民生委員の任期3年の内に必ず一度の出席が必須。確かに、既に何度か聞いたような内容だが、改めて勉強になった。
講演は二つ。「福祉と人権」と「高齢者の権利擁護」。
前者は千葉敬愛短期大学の松本教授が担当。「人権」は、身近な言葉だが抽象的で眼に見えるわけでもないので説明が難しい。が、さすがに松本教授。奥さんに「またキミマロしてくるのですか?」と皮肉られるだけのことはある。笑いあり涙ありの漫談調で飽きさせない(体型もやや似ている)。年齢も70歳程度か? 高齢者の星。元気を貰えた。
印象に残ったのは、自分自身が知らない間に人権侵害している恐れがあること。(以下は松本教授の話にはないが、)日本人は、人権を自力で獲得した訳でなく、戦後に与えられたものなので、人権の大切さを本当に自覚ができていないようだ。封建時代の古いしきたりや体質が社会として(伝統?因襲?)連綿と無意識に引き継がれているようだ。
「高齢者の権利擁護」の講師は高齢者権利擁護支援センターの高橋専門委員。短時間で要領よく介護と成年後見制度、及び高齢者虐待の説明があった。社協の登録生活支援員として様々な研修を受け経験したタカさんにとっては、復習も兼ねて非常に理解しやすかった。
SOSを自ら出すことができない高齢者をどう発見していくかが課題、との指摘には大いに納得。民生委員として何が出来るか悩ましい問題。
また、擁護すべき「その人らしい生活」は何か?も、一般論では語れない難しい問いかけ。個々の人生があり価値観がありで、他人には窺い知れない領域。 エンディングノートが老後の(生きて行く為の)生活のにも大切なことが理解できた。 もっとも「あなたらしい生活?」と問われても自分自身は答えられないような気がするが・・・。
老人虐待についてかなり重点的な説明があった。「いじめてやろう」「虐げよう」と思っているかどうかは無関係。客観的に見て虐待なら、虐待だそうだ。事件性のある虐待は氷山の一角で、潜在的な虐待、虐待の小さな芽が多い。それだけ深刻な問題とのこと。
「見守りという名の放置」にならないように・・・、との指摘は、民生委員としては心に刺さった。見守りだけではダメで、どういう状態になったらどうせよ!まで決めておかねば、アクションに繋がらないといいうことだそうだ。通報義務は守秘義務に勝る。なにか気になることがあれば、(結果として間違っているかもしれないが)行政に通報せよ! と言われても親子喧嘩と虐待の区別がつくかな? ちょっと悩ましい感じ。
尚、多摩地区の民生委員が大勢集まっていた。勿論女性が多いが、同年輩(以上)の男性もおり心強く感じた。なにしろ西東京市の民生委員は男性が少ないので・・・。